第556章 1つ目の金丹を手に入れる

その黒い光はますます大きくなり、陽光の下で輝きを放っていた。

一目見ただけで、黒い輝きが閃き、まるで本物の巍峨たる山のようだった。

「本当はこうしたくなかったんだ...お前が俺を追い詰めたんだ!」谷滄海は口から血を流しながら、怒りの叫びを上げた!

秦玉は冷笑して言った:「その台詞は私から言うべきだな。」

「死ね!」谷滄海はもはや何も聞く耳を持たず、大声で叫びながら、手にした砕山印を秦玉に向かって激しく叩きつけた!

「ゴロゴロ...」

光の印が放たれた瞬間、まるで本物の大山が秦玉に向かって押し寄せてくるかのようだった!

轟々たる威力は周囲に暴風を巻き起こし、周りの人々は慌てて後退し、余波に巻き込まれることを恐れた!

その砕山印はますます強大になり、上空から押し潰すように迫ってきた!

この砕山印の前では、秦玉の痩せた体つきは非常に脆弱に見えた!

しかし、彼から放たれる強大な気場は、誰も無視できないものだった!まさに泰山崩るるも面色改めずという様相だ!

「ドーン!」

砕山印は秦玉にどんどん近づき、ついにその巨大な光が秦玉を飲み込んだ!

ずっと微動だにしなかった秦玉は、ようやくゆっくりと手を上げた。

彼の手がゆっくりと握られ、金色の光が瞬時に爆発した!

この瞬間、その鉄拳には呑天の力が宿っているかのようだった!

「なんだこの砕山印、たいしたことないな!」秦玉は冷たく一言吐き出すと、突如として拳を振り上げ、砕山印に向かって激しく打ち込んだ!

「ドーン!」

衝突した瞬間、天地が大きく震動し始めた!

秦玉の拳は枯れ木を引き裂くような勢いを含み、瞬時にその黒い輝きを貫いた!

「ドーン!」

再び爆発音が響き、その気勢凄まじい砕山印は、瞬時に粉々に砕け散り、そして消え去った!

一方の秦玉は、表情は平静で、まるでささいなことをしただけのような様子だった。

周囲の人々は目を見開き、中には思わず唾を飲み込む者もいた。

この砕山印が、たった一撃で消え去ってしまったのか?!

これは谷滄海の切り札の技だったというのに!

「ば...馬鹿な...」

この瞬間、谷滄海は完全に絶望した!

全力を尽くしても、秦玉の何気ない一撃にも及ばなかった!

二人の実力差は、もはや埋めることのできない境地に達していた!