この生死の際に、秦玉はついに武侯への契機を悟った!
武侯とは金丹期のことであり、一度金丹期に入れば、全ての修行は金丹の中に宿るのだ!
そして秦玉は混沌体として、陰陽双修が可能だった!
秦玉にとって、武侯への契機とは、陰陽の融合にあった!
一度融合が成功すれば、金丹が結成され、真の武侯の境地に至るのだ!
「残念だが...武侯に入るには静寂が必要で、邪魔されてはならない」秦玉は再び絶望に陥った。
今、武侯の境地への契機を悟ったものの、もはやチャンスはどこにあるのか?
「もっと早く気付いていれば...」秦玉の心の中で、悲憤が込み上げてきた。
成功が目前に迫っているのに、チャンスを失ってしまった。この言葉では表現できない苦痛、絶望の情が溢れ出ていた。
「小僧、よく耐えているな」谷滄海は冷たく言った。
話しながら、谷滄海は両手をゆっくりと上げ、何かの術法を凝縮しているようだった。
恐ろしい光が、谷滄海の手の中で爆発的に膨らんだ!
「死ね!」
谷滄海の怒号とともに、強烈な殺気を帯びたその光が、秦玉に向かって押し寄せてきた!
「轟!」
しかしその時、遠くから一筋の気が突然飛来し、谷滄海の術法と衝突した!
巨大な轟音が、瞬時にこの部屋を粉砕した!
周囲の人々は数十メートル吹き飛ばされ、中には肉塊と化した者もいた!
「誰だ!」谷滄海は顔色を変え、冷たく叱責した。
四十歳ほどの男が、入り口からゆっくりと歩み入ってきた。
その男を見て、秦玉は愕然とした。
「燕...燕江?!お前は死んでいなかったのか?!」秦玉は思わず口を開き、目には興奮の色が浮かんだ!
立ち上がろうとしたが、体の傷が重すぎて、立つことができなかった。
「燕江兄...」秦玉は全身の力を振り絞って、この言葉を吐き出した。
燕江は秦玉を一瞥し、軽く頷いた。
「燕江、なぜ来た」谷滄海は冷たく言った。
燕江は重々しく言った:「お嬢様から秦玉を守るように命じられていた」
この言葉を聞いて、秦玉の心は感謝の念で一杯になった。
秦玉は、今日になっても燕江が顔若雪の命令を覚えていたとは思いもよらなかった。
「はっはっはっは!」傍らの谷滄海は思わず大笑いを始めた。
「顔お嬢さんはもう顔家のお嬢様ではないのに、なぜそこまで固執するのだ」谷滄海は淡々と言った。