第560章 頑固な燕江!

谷滄海は全身の気勁を爆発させ、一撃一撃が燕江の急所を狙っていた!

谷滄海の強烈な攻撃に対し、燕江は後退する余地もなく、正面から受け止めるしかなかった。

空中に光が絶え間なく輝き、碧落楼はほぼ廃墟と化し、現場は惨憺たる有様となった。

これは武侯同士の戦いであり、誰も近づく勇気はなく、皆が散り散りに逃げ出し、巻き添えを恐れていた。

この時、秦玉は必死にこの二つの気を融合させようとしていた。

「急げ、もっと早く...」秦玉は歯を食いしばり、全ての神識の力を使って二つの気を融合させようとした。

瞬く間に二十分が経過し、秦玉の気の融合も、ついに執事の時が来たようだった!

「だめだ...このスピードでは、間に合わない」秦玉は極めて厳しい表情を浮かべた。

その時、甄月が混乱に乗じて近くから走ってきた。

「秦さん、私...私が助けます」甄月は焦りながら言った。

そう言うと、彼女は秦玉の各急所に刺さった光の柱を抜こうとし始めた。

しかし残念ながら、甄月の実力ではこの十本の光の柱を動かすことすらできなかった。

全力を尽くしても、びくともしなかった!

「ど...どうしましょう」甄月は顔を真っ赤にして、途方に暮れていた。

秦玉は気にする余裕もなく、時間が迫っているため、一瞬たりとも気を散らすことはできなかった。

「シュバッ!」

その時、谷滄海の鋭い指が鋼の爪のように、燕江の胸を激しく引き裂いた!

彼の胸は引き裂かれ、三本の血痕が目を覆うばかりで、白骨さえも露出していた!

「燕江、お前は私の相手ではない。死ね!」谷滄海は大声で叱責した。

谷滄海の両手に黒い気が集中し、一目見ただけで、その両手は九幽地獄から来たかのようだった!

この術こそが谷滄海の代名詞となった必殺技、奪命鬼手だった!

この術は肉身を傷つけるだけでなく、神識にまで衝撃を与えると言われている!

燕江は慌てふためき、口を少し開けると、一筋の光の印が爆発的に放たれた!

この術は京都武道協会から伝わるもので、長虹神印と呼ばれる!

この神印は轟々たる威力を放ち、谷滄海の奪命鬼手に向かって激しく打ち込まれた!

「ドォーン!」

二つの術が衝突し、灼熱の気の波が火の海のように四方八方に広がっていった!

この術の影響で、谷滄海は数歩後退した。