夏航が待っていたのは、まさにこの罠にはめる時だった!
秦玉さえ死ねば、もう心配することはなく、京都武道協会からの褒賞まで手に入れられる!
「この世に私を脅かせる者などいない」夏航は暗闇に身を潜めながら、冷たく言った。
....
秦玉はここを離れ、ホテルに戻った。
手の中の黒袍を撫でながら、冷たく言った。「明日、奴らを皆殺しにしてやる」
この学院も、破壊してやる!
だが、この時の秦玉は知らなかった。京都武道協会がすでに天羅地網を張り巡らせていたことを。
翌日。
京都武道学院の周辺は静寂に包まれていた。
武道は元々マイナーな分野で、参加者も極めて少ない。そのため、この学院の設立場所も比較的人里離れていた。
見渡す限り、人影一つ見えない。
周囲は荘厳な高山か、果てしない密林のいずれかだった。