第556章 武侯への挑戦

甄月はそう思ったが、すぐには決断を下さなかった。

一晩中。

甄月はベッドに横たわったまま眠れず、この問題について考え続けた。

ついに、夜明けを迎え、甄月はベッドから起き上がった。

「秦さんは碧月山荘の副門主だ。氷心を彼に渡せば、別の形で碧落楼に残ることができるかもしれない」甄月は深く息を吸い込んだ。

これが彼女にとって、最善の選択かもしれなかった。

そこで、甄月は立ち上がり、秦玉の部屋へと向かった。

部屋の入り口に着くと、中から煉丹の音が聞こえてきた。

これは甄月の決意をさらに固めた!

「秦さんは碧月山荘のために尽くしている。この氷心は本当に彼に渡すべきかもしれない」

そう思い、甄月は扉を開けて入った。

入ってきた甄月を見て、秦玉はゆっくりと立ち上がり、笑みを浮かべて言った。「甄門主、どうしてここに?」