第576章 私を殺したいなら、私は来た!

同じ武侯とはいえ、六品武侯と一品武侯の間には大きな差がある。

六品武侯は武侯中期とも呼ばれ、新晋武侯とは雲泥の差がある。

京都武道協会にとって、武侯中期を出動させることは稀になっていた。

かつての秦玉と韓威の決戦の時でさえ、わずか三人の一品武侯だけだった。

今回の閆帰一の到来は、京都武道協会がいかに激怒しているかを物語っている。

「命知らずの小僧だ」閆帰一は現場の惨状を見て、冷たく言った。

「京都武道協会に挑みかかってくる者がいなくなって、もう何年になるかな」

話しながら、閆帰一の体からわずかな殺気が漏れ出た。

たった一筋の殺気だけで、皆の背筋が凍った!

「閆様、上層部は既に会議中です。彼らの決定を待ちましょう」傍らの者が言った。

閆帰一は冷ややかに鼻を鳴らし、何も言わずに立ち去った。

...

協会上層部会議。

上層部の面々は相変わらず暗闇に身を隠し、いつもの会議と大差なかった。

ただし、今日の会議の雰囲気は少し異様だった。

夏航は重傷を負いながらも、大人しくそこに座り、まるで上層部からの裁きを待つかのようだった。

「これ以上成長させるわけにはいかない」誰かが冷たく言った。

「すべてが制御可能なうちに、直ちに抹殺しなければならない」

「武道界にこのような者の存在は許されない!」

上層部の言葉を聞いて、夏航はようやく安堵の息をついた。

彼は立ち上がって言った。「上層部の皆様、武道協会の最高戦力を直ちに出動させ、秦玉に逃げる隙を与えないことを提案します」

上層部は冷たく言った。「夏航、お前が手配せよ。秦玉を見つけ次第、即座に誅殺だ!」

「はい」夏航は密かな興奮を隠せなかった。

今日の秦玉の活躍は、夏航の想像を遥かに超えていた。

秦玉は武侯に入ったばかりで既にその鋭さを見せつけた。将来どのような災いをもたらすか、誰も想像できなかった。

秦玉は悲憤に満ち、苦痛に耐えていた。

しかし理性は彼に告げていた。今の京都は是非の地であり、立ち去らなければ命の危険があると。

秦玉は空き地に長く立ち尽くし、なかなか動こうとしなかった。

彼の表情は極めて冷たく、怒りが胸の内に渦巻いていた。

目を閉じるたびに、牢獄での顔若雪の姿が脳裏に浮かんだ。

「顔家...顔家!」秦玉は苦悶の表情を浮かべた。