第600章 悪人がいないなら、悪人を作ればいい

その姿が手を振ると、無数の人々が一瞬で吹き飛ばされた!

抵抗しようとしていた人々は、この瞬間、退く意を生じ、四散し始めた!

秦玉はその姿を食い入るように見つめ、表情は一層奇妙になっていった!

彼女は仮面をつけており、その仮面は小魚が持っているものと全く同じだった!

「まさか...この人が、あの仮面の持ち主なのか?!」秦玉は驚いて叫んだ!

さらに重要なことに、その仮面と小魚の間には、何か関係があるようだった!

すぐに、仮面女は大殿に突入した。

大殿の多くの修士たちは全く太刀打ちできず、抵抗する術もなかった。

わずかな時間で、屠仙教は血の海と化した。

椅子に座っていた教主の顔は、さらに青ざめていた。

彼は口を開いて、何かを言おうとしたが、秦玉には何の声も聞こえなかった。

その口の動きから見ると、命乞いをしているようだった。

しかし仮面女は彼に何の機会も与えず、ただ手を上げただけで、屠仙教教主の神識を粉砕した!

秦玉はその場に立ち、依然として驚愕の表情を浮かべていた。

この仮面女は、一体どんな来歴の持ち主なのか?門中の大能たちが、全く抵抗できないとは?!

その仮面女は大殿の中に長く佇んでいたが、しばらくして、ようやくゆっくりと去っていった。

秦玉の神識も、この瞬間に解放された。

目の前の光景を見て、冷や汗が止まらなかった。

「これほどの大能たち...全く抵抗できなかったとは...」秦玉は恐怖の表情を浮かべた。

これは秦玉に疑問を抱かせた。寿命が数千年にも及ぶこれらの大能の境の者たちは、現世まで生き延びた者がいるのだろうか?!

そして、あの仮面女と小魚の間には一体どんな関係があるのか、なぜ小魚だけがあの仮面をつけることができるのか?

まさか...

小魚は仮面女の転生者なのか?!

もしそうだとすれば、小魚の未来は...計り知れない!

秦玉は手を伸ばし、椅子に座った死体に触れようとした。

しかしその瞬間、死体は轟然と崩れ落ち、灰となって無影無踪に消え去った。

「おかしいな」秦玉は眉をひそめた。

「さっきまで頑丈だったのに、どうして突然灰になって消えてしまったんだ?」

「まさか...誰かが意図的にこの光景を見せようとしたのか?」

その時、大殿全体が突然冷たくなった。

次々と並ぶ枯骨から、陰気が立ち昇った!