第598章 10万の内丹!

いわゆる妖獣内丹は、ただの試しに過ぎなかった。本当の宝は、この巨大な島の下にあるのだ。

これは京都武道協会の情報で、間違いないはずだ。

海面を見つめながら、閆帰一の心の中で不安が募っていく。

秦玉の死体を自分の目で確認しない限り、決して安心できないのだ。

...

海水の中。

秦玉の血が、周囲の海水を赤く染めていた。

彼は苦労して目を開け、胸には五岳の尊山が掛かったままだった。

「また一命を救ってくれたか...」秦玉は五岳の尊山を撫でながら、小声で呟いた。

体を動かそうとすると、全身に激痛が走った。

傷口は海水に晒され、耐え難い痛みを感じていた。

周りを見渡すと、一面の暗闇だった。

その後、秦玉は避水呪を使い、海底で霊火を灯した。

秦玉は水中で体勢を保とうと試み、絶え間ない沈下を防いだ。

上を見上げたが、そこは真っ暗だった。

これは秦玉がかなりの深さまで沈んでいることを意味していた。

もし肉身が強靭でなければ、とっくに水圧で肉泥になっていただろう。

「今の状態で妖獣と出くわしたら...間違いなく死ぬ」秦玉は眉をひそめた。

彼は空間神器から閣主から贈られた丹炉と、長く保管していた薬材を取り出した。

「丹薬で肉身を回復するしかない」秦玉は低い声で言った。

秦玉は苦労して薬材を丹炉に入れ、そして霊火を灯して丹薬の精製を始めた。

秦玉が精製している丹薬は血凝丹と呼ばれ、これは極めて単純な丹薬で、普通の薬材で精製できる。

「はぁ、こんな薬材で血凝丹を作るなんて...本当にもったいない」秦玉は思わず心痛めた。

しかし今はそんなことを気にしている場合ではなく、早急に肉身を回復することが重要だった。

...

深夜。

賀騰が海面から空中に浮かび上がった。

彼は閆帰一の前に歩み寄り、首を振って言った。「見つかりませんでした。おそらくとっくに海底に沈んでいるでしょう」

閆帰一は賀騰を一瞥し、冷たい声で言った。「探し続けろ」

「閆隊長、私を信じてください。あの一撃は間違いなく秦玉を殺すのに十分でした」賀騰は小声で言った。

閆帰一は冷たく言った。「あの小僧はよく死地から生還する。その死体を見るまでは安心できん」

賀騰は不本意ながらも、閆帰一の要求に従って再び海中に潜った。

しばらくして、秦玉はようやく八個の血凝丹を完成させた。