第614章 8字ヒゲの手法

八字髭の貪欲そうな表情を見て、秦玉も一瞬心が動いた。

屠仙教が当時の第一宗門だったと言う人は一人や二人ではない。もしここで機縁を得られれば、人生を変えられることは間違いない。

「じゃあ、早く出発しましょう。時間を無駄にしないように」外界を気にかけている秦玉は急かした。

八字髭は白目を向けて言った。「何を急ぐんだ。準備が必要だ。ここは屠仙教だぞ。触れてはいけないものに触れたら、ここで命を落とすことになる」

そう言うと、八字髭はポケットから次々と法器を取り出した。

これらの法器は非常に奇妙で、杵や鉢、そして密集した文字符号などがあった。

秦玉は興味を持って尋ねた。「これは何ですか?」

八字髭は答えた。「西洋仏教から手に入れたものだ。最も純粋な信仰の力が宿っていて、身を守るのに使える」

秦玉は頷いて、それ以上質問はしなかった。

今の彼は体が疲れていたので、この機会に十分休息を取ることにした。

...

外界。

秦玉の死について、彼らはすでに慣れてきたようだった。

まだ希望を持っている者はごくわずかだった。結局のところ、秦玉は丸一ヶ月も姿を見せていなかったのだから。

碧月山荘内。

白髪の青年が霊泉のそばに座り、霊泉からの霊気を吸収していた。

この青年は他でもない、姚青その人だった。

秦玉の死を知ってから、姚青のあの陽気な様子は完全に消え去り、代わりに現れたのは懸命に努力する青年の姿だった。

桃子は薬神閣に戻ることを選んだ。そもそも彼女が来たのは秦玉のためだった。

今や秦玉がいなくなり、彼女には未練がなくなっていた。

「誰の許可でここで修行してるんだ!」

そのとき、二人が近づいてきて、姚青を指さして怒鳴った。

姚青は目を開け、眉間に怒りの色が浮かんだが、最終的にはそれを抑えた。

その後、姚青は立ち上がり、霊泉から立ち去った。

大殿まで来ると、ある閨房に入った。

この部屋に住んでいたのは、甄月だった。

姚青は扉を開けて部屋に入った。

姚青を見て、甄月はゆっくりと立ち上がり、表情を曇らせて言った。「姚青...」

姚青は深く息を吸い、言った。「甄門主、私は碧月山荘を離れることにしました」

甄月の顔に一瞬の虚ろさが浮かび、眉をひそめて言った。「な...なぜ?」