鉢は直接粉々に砕け散り、秦玉の手の中の杵も震え続けていた!
八字髭は恐怖に満ちた表情で、震える声で言った。「私は...私はこのような光景を見たことがない...この鉢が砕けるなんて!」
秦玉の顔色も少し緊張していた。
この鉢と杵は仏教由来のものだということを知っていた。
その上には極めて強い信仰の力と祥和の気が宿り、世の中のあらゆる邪悪なものを抑制できるはずだった。
しかし今、この鉢は直接砕けてしまった!
「行こう、どんな宝物も命ほど重要じゃない」八字髭は秦玉を引っ張って立ち去ろうとした。
しかし秦玉は冷たい声で言った。「行きたければ行けばいい。私は行かない。危険な場所ほど、機会も多いものだ」
秦玉に残された時間はもともと多くなかった。だから、彼は冒険しなければならなかった。
実力を高められるなら、どんな代償も払う価値があった。
そう言うと、秦玉は大きな歩幅で前に進んでいった。
八字髭は少し躊躇した後、歯を食いしばって呟いた。「くそっ、行けば行くさ。俺を殺せるわけないだろう!」
そして、八字髭は急いで追いかけてきた。
二人が深部に進むにつれ、陰気はますます濃くなっていった。
最も深い場所まで来たとき、二人は息をするのも困難になっていた。
彼らの体内の霊気は完全に抑制され凍結され、すべての修為はこの時点で使用できなくなっていた。
「見ろ、あれは何だ!」
その時、秦玉は遠くにある凹んだ壁を指さして言った。
一目見ただけで、その凹みは扉のある部屋のように見えた。
「道友よ、あれが何か見てきてくれ」八字髭は秦玉の後ろに隠れながら、小声で呟いた。
秦玉は八字髭を無視し、灯りを掲げてその凹みに向かって歩いていった。
「ん?」
目の前の光景を見て、秦玉の表情が変わった。
そこには、巨大な棺桶が置かれていた!
さらに重要なことに、棺桶の両側には二体の死体があった!
「死体を棺桶の中に入れずに、両側に置くとは?」秦玉は眉をひそめた。
彼は陰気を感じ取ろうとした。案の定、この墓穴の陰気はすべてここから発せられていた。
この棺桶を見つめながら、秦玉は思考に沈んだ。
この棺桶には竜や鳳凰が彫られており、どんな材質で作られているのか分からないが、これだけの年月を経ても全く腐敗の跡がなかった。