秦玉の提案に対して、八字髭は特に大きな意見はなかった。
彼は手を広げて言った。「いいよ、剣さえ俺にくれればいい。どうせ奪いに行くのは俺じゃないしな。」
秦玉は目の前の男の死体を見つめ、しばらく考えた後、また棺桶を取り出した。
この真っ赤な木で作られた棺桶を見て、八字髭は思わず身震いした。
「なんでこんなもの出すんだよ、人を驚かせる気か。」八字髭は不満げに呟いた。
秦玉は棺桶を軽く叩きながら言った。「この数日間、この棺桶を見ていてもらわないといけない。そうしないと、空間神器に収まりきらなくなる。」
八字髭は尻尾を踏まれた猫のように、飛び上がった。
彼は恐怖に震えながら言った。「俺にこんなものと一緒にいろって言うのか?それも数日間も?」
秦玉は白目を向けて言った。「いいじゃないか、お前が思うほど怖くないよ。」
「お前はあの仮面女が何をしたか知らないからそんなこと言えるんだ!」八字髭は震える声で言った。
「これしか方法がないんだ。同意するかどうかだけ答えてくれ。」秦玉は開き直ったように言った。
八字髭はその棺桶をしばらく見つめ、少しして歯を食いしばって言った。「金のためなら命も懸けるさ。覚悟を決めた、承知したよ!」
「よし、約束だ。」秦玉は軽く頷いた。
二人の間で約束が交わされた。
男の死体を操る方法さえ手に入れば、秦玉は京都武道協会に行って人々を救出することができる。
競売会の開始まで、まだ丸三日ある。
この三日間、秦玉はこの民家から一歩も出なかった。
彼は一日中部屋に座って、内丹を吸収していた。
秦玉が持ち出した内丹はそれほど多くなく、二日目には既に使い切ってしまった。
五品武侯は、武侯中期に当たる。
そして今の秦玉は、武侯中期まであと一歩というところだった。
武侯の境地において、三つの段階はそれぞれ異なる実力を表している。
前期の武侯と中期の武侯では、雲泥の差がある。
そして武侯頂点は、武侯中期よりもはるかに強大だ。
今や京都の若き貴公子たちは次々と武侯中期に踏み入れており、秦玉もペースを上げなければならなかった。
一方。
顔錦堯は顔家の血脈の力を得て、その実力は質的な飛躍を遂げた!
顔錦堯はこのいわゆる血脈が何なのか分からなかったが、彼の肉身は以前よりもはるかに強くなっていた。