顔山河の声が、たちまち多くの人々の注目を集めた。
「顔家と薬神閣は常に対立関係にあったようだが、今回は水面下で争いになりそうだな」
「ああ、あの秦玉のことでな」
「薬神閣は秦玉に多額の投資をしたのに、秦玉は死んでしまい、薬神閣は何も得られず、むしろ多くの敵を作ってしまった」
「こういう投資は、リスクが高すぎて割に合わないな」
人々は様々な噂話を交わし、良い見世物が見られそうだと期待していた。
閣主は黙って手を挙げ、値を上げた。「百億」
「百五十億!」顔山河は考えることもなく手を挙げて叫んだ。
「二百億」閣主は更に値を上げた。
顔山河は軽く鼻を鳴らして「三百億!」と言った。
価格は一瞬にして極めて高額な水準にまで跳ね上がった。
これは京都武道協会を大いに喜ばせた。誰かが競り合うことは、彼らが最も見たいものだった。
「閣主、まだ値を上げますか?」桃子は眉をひそめて尋ねた。
閣主も眉をしかめた。
この七彩瑠璃は非常に重要だが、彼女は心の中で、これ以上競り続けても自分にとって何の得もないことをよく分かっていた。
「もういい」閣主は深く息を吸い、首を振って言った。「顔家と京都武道協会は深い関係がある。これ以上競り続けても我々には何の利点もない」
桃子は軽く頷き、小声で言った。「やはりこの顔家四兄弟は、ろくな奴らじゃないわ」
閣主が諦めると、顔山河は冷笑して言った。「どうした、あの高名な薬神閣もこの程度の力しかないのか?三百億で諦めるとは?」
「三百億なんて、顔家にとっては些細な金額だがな」顔山河は傲慢な態度で言った。
閣主は黙したまま、顔山河を相手にする気配すら見せなかった。
顔山河は立ち上がりながら、冷笑を浮かべて言った。「姬羽紅、もし我が顔家に謝罪して頭を下げるなら、許してやることを考えてもいい」
しかし閣主は依然として一言も発せず、むしろ軽く目を閉じた。
顔山河は冷ややかに鼻を鳴らし、すぐに壇上へと向かった。
京都武道協会のオークションは他のオークションとは異なっていた。
彼らには独特のルールがあった。
それは、落札した品物はその場で支払いを済ませなければならないというものだった。不必要な争いを避けるためである。