第655章 武聖の一撃!

秦玉の背中全体がほぼ崩壊し、白骨さえも露出していた。

五臓六腑も大きな衝撃を受け、地面に横たわって苦しんでいた。

「うっ!」

一口の鮮血が秦玉の口から吐き出された!全身のあちこちから激痛が走る!

これが武聖の器の威力だ!たった一撃で秦玉のすべての防御を打ち破ったのだ!

「ふん、どこまで逃げられるか見ものだな」璩蠍は冷たく言った。

彼は般若尺を収め、秦玉に向かって大股で歩み寄った。

秦玉は歯を食いしばり、体を支えて再び立ち上がった。

そして、全身の気を総動員して縮地の術を使い、全力で逃げ出した!

璩蠍は顔色を変え、怒りを露わにした。「まだ立てるとは!この肉身は想像以上だな!」

彼は秦玉の方向を冷たく見つめ、冷笑した。「死なないまでも重傷だ。どこまで逃げられるか見ものだな!」

そこで、璩蠍は傍らの黒金袍たちを見て、大声で命じた。「追いかけて捕まえてこい!」

黒金袍たちも重傷を負っていたが、璩蠍の命令に逆らうことはできず、立ち上がって秦玉が逃げた方向へ追跡を開始した。

璩蠍は顔若雪を見つめた。自ら追跡に向かわないのは、誰かが顔若雪を連れ去ることを恐れてのことだった。

一方、秦玉は必死に逃げ続けていた。

武聖の一撃は彼に甚大な傷を負わせ、口からは絶え間なく鮮血が溢れ出ていた。

しかし、それでも秦玉は休むことができなかった。捕まれば確実に死を免れないのだから!

幸い、黒金袍たちも重傷を負っており、その速度は遅く、秦玉には到底及ばなかった。

十数分後、秦玉の姿は完全に消えていた。

数人は立ち止まり、眉をひそめて言った。「逃がしてしまった。どうしよう。」

「どうしようもない。我々も怪我をしているんだ。追いつけるわけがない。」

「戻って報告するしかないな。」

数人は顔を見合わせ、武道学院へと引き返した。

「璩会長、捕まえられませんでした。」彼らは前に進み出て報告した。

璩蠍は顔色を変え、激怒した。「この役立たずども!奴は武聖の一撃を受けて重傷なのに、どうして追いつけないんだ!」

「璩会長、我々も重傷を負っております。」数人は重々しく言った。

璩蠍は歯ぎしりしながら言った。「役立たず、役立たずめ!」

黒金袍たちはその場に立ち、璩蠍の罵倒を黙って受けていた。