第662章 耿4との対決!

この声を聞いて、秦玉の顔色が一変した!

彼は慌てて数歩後退し、同時に夏航のメッセージを削除した。

耿四は焦る様子もなく、両手を後ろに組んで、ハゲワシのような目で静かに秦玉を見つめていた。

気配を抑えていたものの、その強大な存在感は依然として強い圧迫感を放っていた!

秦玉は顔色を悪くした。まさか耿四に見つかるとは思ってもみなかった!

「紫袍...」秦玉は低く呟いた。

「音もなく私の傍に現れるとは、紫袍は確かに只者ではないな」秦玉は冷たく言った。

耿四は秦玉の言葉を無視し、ただ静かに言った。「どう死ぬか考えついたか」

秦玉は冷笑して言った。「正直に言えば、私の計画では、お前の手から逃げ出すつもりだった」

「ほう?」耿四は眉を上げ、顔に面白そうな表情を浮かべた。

「私の手から逃げられると思っているのか?」

秦玉は首を振って言った。「いや、今は考えを変えた」

「見てはいけないものを見てしまった。だから...今日ここで死んでもらう」秦玉は冷たく言った。

耿四は淡々と言った。「お前如きでは、私を殺せまい」

秦玉も内心では自信がなかった。口では強がっていたが、心の中では不安が募り始めていた。

逃げる方法なら秦玉にもあったが、そうすればこれまでの努力が全て無駄になってしまう!

そうなれば、夏航も必ず京都武道協会に処刑されるだろう!

「できるかどうかは別として、やるしかない」秦玉の体から金色の光が迸り、恐ろしい気配が漂い始めた。

一方の耿四は、相変わらず落ち着き払っており、まるで秦玉など眼中にないかのようだった。

「京都武道協会の紫袍は一人一人が非常に強いと聞くが、私も一度試してみたいものだ!」

秦玉は一声叫び、即座に縮地の術を踏み、太初聖拳を握りしめ、耿四に向かって突進した!

「死に場所も知らないか!」耿四は冷たく言った。

彼は手を少し上げただけで、正面から秦玉を迎え撃った。

「ガン!」

純粋な肉体同士の衝突で、秦玉は数歩後退を余儀なくされた!

これに秦玉の不安は更に増した!肉体だけの勝負なら、今まで相手がいなかったのに!

そして今、耿四の肉体は自分に少しも劣っていない!

「おかしい、何か術法を使っているはずだ」秦玉は心の中で思った。