第666章 顔若雪の向かいの牢獄

先ほどまで威張り散らしていた耿四が、あっという間に冷たい死体となってしまった!

彼は地面に横たわり、動かず、血が雨水を赤く染めていた。

姜和の老いた顔には、何の表情も浮かんでいなかった。

雨水が深い皺の刻まれた頬を伝って流れ落ちる中、彼は振り返り、秦玉に向かって一歩一歩近づいていった。

「姜和先輩...」秦玉は苦しそうにその言葉を絞り出した。

姜和は軽く頷き、身を屈めて静かに言った。「私が連れて帰ろう。」

「いいえ...」秦玉は姜和の好意を断った。

彼は歯を食いしばって言った。「これは二度とない機会だ、絶対に逃すわけにはいかない...」

姜和は眉をしかめて言った。「今のお前の状態で、立つことができるのか?」

姜和はもちろんこの術法の副作用を知っていた。一度使えば、十日や半月は立ち上がることもできないのだ。

しかし秦玉は黙ったまま、歯を食いしばり、必死に地面から立ち上がった。

「姜和先輩...ありがとうございます....」秦玉は苦しそうに言った。

姜和は一瞬言葉を失った。

目の前の秦玉を見て、彼は心の中で言いようのない恥ずかしさを感じた。

もし当時、自分も秦玉のようにここまで命を懸けていたら、結果は違っていたのだろうか?

「姜和先輩、早く行ってください...誰にもあなたが来たことを知られてはいけません...」秦玉は言った。

姜和はその様子を見て、もう何も言わず、頷いてから歩き出し、瞬く間にその通りから姿を消した。

姜和が去ると、秦玉はもう支えきれなくなった。

彼はよろめきながら二歩歩き、その後「ドン」という音と共に地面に倒れた。

「実に感慨深いものだな。」夏航の声が、秦玉の耳元に聞こえた。

秦玉は目の前の夏航を見上げ、気がかりだった心も、ようやく落ち着いた。

「夏航....頼む....」

その言葉を残すと、秦玉はそのまま気を失ってしまった。

夏航はしばらくそこに立ち尽くし、軽くため息をつくと、手を伸ばして秦玉を掴み、京都武道協会へと向かって歩き出した。

京都武道協会内。

璩蠍は事務所に座り、耿四からの良い知らせを待っていた。

「京都武道協会が紫袍を派遣するのは、どれくらい久しぶりでしょうか。」助手は感慨深げに言った。