秦玉から放たれる気迫に、璩蠍は一瞬恐怖を感じた!
そして手すりが平らに打ち潰されたのを見て、皆は息を飲んだ!
全員がこの光景を呆然と見つめ、一時誰も言葉を発することができなかった。
誰も信じられなかった。秦玉のこの一撃で、手すりが曲がってしまうなんて!
「も...もういい」璩蠍は冷や汗を拭いながら、手を振って顔若雪への拷問を止めるよう指示した。
二人は急いで術法を解除し、顔若雪の体に付けられていた管からの光も消え始めた。
秦玉は氷のように冷たい瞳で、璩蠍を冷ややかに見つめていた。
その眼差しは恐ろしく、璩蠍でさえ冷や汗が止まらなかった!
「いけない、この者は早急に始末せねば!」璩蠍は心の中で狂ったように叫んだ!
その一瞬、璩蠍は死の気配を感じたのだ!
彼は一言も発せず、部下を連れて部屋を出て行った。
秦玉の周りに漂う冷たい気配は徐々に消えていったが、その表情の冷たさは、まだ誰も近寄れないほどだった。
しばらくして、ようやく誰かが言った。「お前のその一撃...恐ろしいな。この手すりが曲がったのは初めてだ」
秦玉はその者を一瞥したが、何も言わなかった。
先ほどの怒りは、秦玉の自制心を失わせそうなほどだった。
そしてその怒りは、彼に不思議な力を与えた。
この感覚は、初めてではなかった。
以前、燕江と対峙した時にも、同じような爆発があった。
「若雪、大丈夫か?」秦玉は顔若雪の方を見た。
顔若雪は首を振り、なんとか笑顔を作って言った。「大丈夫...」
二人の言葉は、まるで臨終の言葉のように、悲しみに満ちていた。
周りの人々も、秦玉を慰めていた。
「来世では、また立派な男になれよ!」皆がそう言った。
秦玉は一人一人に礼を言い、その後は静かに京都武道協会の裁きを待った。
十数分後。
璩蠍は二人の紫袍を連れて入ってきた。
「秦玉、時間だ。この世界にさよならを言え」璩蠍は冷たく言った。
秦玉は地面から立ち上がり、冷たい目で璩蠍を見て言った。「璩蠍、言っておく。若雪が受けた苦しみは、お前に百倍千倍にして返してやる」
璩蠍は嘲笑おうとしたが、なぜか言葉が喉に詰まった。
結局、璩蠍はただ冷たく鼻を鳴らし、手を振って「連れて行け」と命じた。
牢獄の門が開き、二人の紫袍が秦玉の肩を掴んで、牢獄の外へと向かった。