その夜、八字髭は碧月山荘を離れ、陣台を設置する材料を探しに行くと言った。
一方、秦玉は碧月山荘で待機していた。
翌日、秦玉は小魚を連れて、碧月山荘の霊泉の近くへ向かった。
ここは、かつて聖儒門の拠点であり、今でも数名の武者が修行している場所だった。
「あれが霊泉だ」秦玉は指さした。
小魚は頷いて言った。「知っています。でも霊泉は私の修行には何の効果もありません」
秦玉は黙ったまま、空間神器から棺桶を取り出し、小魚の前に置いた。
「これで修行できる」秦玉は棺桶を指さした。
棺桶からは陰気が漂い出ていた。
その陰気は天地を覆うほどで、瞬く間に周囲の温度を下げた。
霊泉の近くで修行していた武者たちも、思わず身震いした。
「濃い陰気ですね」小魚は眉をひそめ、少し不快そうな様子を見せた。
秦玉は棺桶を指さして言った。「この棺桶で修行を試してみろ。耐えられるかどうか見てみよう」
小魚は頷き、棺桶の横に座り、棺桶の中から漂う陰気を吸収し始めた。
わずか五分で、小魚は激しく咳き込み始め、体中が震え出した。
「無理です」小魚は首を振った。
「この陰気は濃すぎて、私には耐えられません」
秦玉はその様子を見て、軽くため息をついた。
彼がずっと棺桶を小魚に渡さなかったのは、この陰気に耐えられないのではないかと心配していたからだ。
そのため、秦玉は特に小魚を霊泉の近くに連れてきて、霊泉の霊気で棺桶の陰気を中和しようと考えていた。
しかし、それでも小魚は耐えられなかった。
秦玉の少し残念そうな表情を見て、小魚は突然唇を噛んで言った。「もう一度試してみます」
そう言うと、小魚は再び目を閉じ、棺桶の陰気を吸収し続けた。
しばらくすると、小魚の体が再び震え始め、体が氷のように冷たくなった。
しかし今回、小魚は立ち上がらず、歯を食いしばって耐え続けた。
一分、二分、五分、そして三十分が経過し、小魚は徐々に棺桶の陰気に慣れてきたようだった。
彼女の体は震えなくなり、陰気は彼女の周りで小さな渦を形成し、猛烈な勢いで体内に流れ込んでいった。
これには秦玉も目を見開いた。
小魚の適応能力は、あまりにも恐ろしかった。
かつての秦玉でさえ、このようなことは全くできなかったのだ!しかも秦玉は心法を操っていたのに!