小魚の近くまでやってくると、彼女の体から白い気が立ち上っているのが見えた。
この陰気は寒々しく、その通り道には草一本も生えていなかった。
周囲の木々は急速に衰え、その陰気はなおも四方に広がっていた。
秦玉は顔色を変えた。この気が碧月山荘全体に広がれば、それは間違いなく災難となるだろう!
そこで、秦玉は急いで前に踏み出し、手を上げて幾筋もの金芒を放ち、この気の拡散を防いだ。
その気の侵食力は極めて強く、秦玉の金芒さえも幾分か暗くなってしまった。
「恐ろしい気だ」秦玉は眉をひそめた。
彼の体は少しの不快感を覚え、まるでこの気に飲み込まれそうだった。
周りの元々青々としていた木々は、今や衰退の一途を辿っていた。
「轟!」
この時、小魚の体からまた恐ろしい気が爆発的に放出された。
次の瞬間、黒雲が天地を覆い尽くすように現れた!
「これは...突破するのか?」秦玉は何かに気付いたようだった。
小魚はこれ明らかに武侯へ突破しようとしている兆候だ!
空には黒雲が立ち込め、その濃さは以前の秦玉が渡劫した時を超えていた!
小魚は依然として目を閉じたまま、この天劫に対して特に恐れる様子もなかった。
「カッ!」
一筋の天雷が轟然と落ちてきた!
この天雷の強さは秦玉が渡劫した時よりもさらに恐ろしかった!
秦玉は思わず目を見開いた!
このような恐ろしい天劫は、秦玉でさえ背筋が寒くなるほどだった!
「カッ!」
また一筋の天雷が落ちてきた。今回の天雷はさらに強くなっていた。
しかし小魚は依然としてそこに座ったまま動かず、周囲に広がっていた気は突然収束し始め、最後には小魚の体にぴったりと付着した!まるで一つの鎧兜のように!
「カッ!」
天雷が再び落下し、その白い気の層に激しく打ち付けた!
驚くべきことに、このような恐ろしい天雷でさえ、その白気を少しも動かすことができなかった!
「恐ろしい...」秦玉は思わずつぶやいた。
この白い気は一体何なのか、どうしてこれほど堅固なのか?
天雷でさえ、その前では物の数ではないようだ!
「もしかして仮面女の後手か?」秦玉は心の中で考えた。
小魚と仮面女の関係は一体どうなっているのか、今のところまだ分からない。
しかし、二人の間には必ず何らかの繋がりがあることは確かだろう!