秦玉は携帯をしまい、もう見続けることはなかった。
小黒と姜和のどちらが勝つのか、秦玉にもわからなかったが、心の中では姜和に傾いていた。
次々と秘密が明らかになるにつれ、秦玉もゆっくりと気付き始めた。姜和も葉青も、炎国最強の者ではないということに。
彼らは表向きの最強者に過ぎず、闇の中にどれほどの高手が潜んでいるのか、誰も知らない。
前回の寒宮のように、彼らは何気なく武侯を、それも武侯頂点の境の者を派遣してきたのだ!
彼らの背後にどれほどの高手が隠れているのか、天のみぞ知る!
十数分後、一行は飛行機に乗り、唐城へと向かった。
唐城は国境にあり、そのため七時間かけてようやく唐城に到着した。
到着した時には、すでに夜になっていた。
今は冬だが、飛行機を降りると、暖かい気流を感じた。
ミニスカートや半袖姿が街中で見られ、冬の景色など微塵もない。
「この唐城の環境は本当に素晴らしいな」秦玉は深く息を吸い、吹き寄せる海風を感じた。
否定できないことに、唐城は確かにリゾート地として最高だった。
「小魚、海辺に遊びに行かないか?」秦玉は最年少の小魚に向かって言った。
小魚は首を振って言った:「興味ない」
秦玉はその様子を見て、思わず口をとがらせた。
今の小魚は、以前の小魚とまるで別人のようだった。
「おや、あそこでパーティーが開かれているようだ、行ってみようよ」八字髭は興奮気味に言った。
八字髭が指さす方向を見ると、確かに、近くのビーチでは歌や踊り、音楽が賑やかに鳴り響いていた。
「誰かがパーティーを開いているようだな」秦玉は言った。
八字髭はぶつぶつと言った:「知らないのか?この唐城は金持ちの楽園と呼ばれていて、多くの金持ちの二世がここで贅沢な暮らしを見せびらかすんだ」
「カーレースや競馬、大規模なパーティーなんかが、ここではよく見られるんだ」
「多くの大スターも招待されて出演するんだぞ」
秦玉はそれにはあまり興味を示さなかった。
彼は洪一門から渡された地図を取り出し、注意深く比較してみた。
薬材が出現する場所は、ここからそれほど遠くないようだった。
そして寧坤の言った時間によると、薬材の出現までちょうど一週間残っていた。
「行こう、見に行ってみよう」秦玉は言った。