第743章 薬材は私のものだ!

秦玉は八字髭の意味を理解した。

万年薬材の出現は、他の宝物の出現とは異なっていた。

それは天地を揺るがすような異象を事前に見せることはなく、むしろ極めて静かに、人目を欺くように現れるのだ。

秦玉はここに静かに座って待ち、神識を解き放って周囲を覆い、わずかな動きも見逃すまいとしていた。

唐末が連れてきた二十数名の武侯が周囲を守り、略奪者に備えていた。

時は瞬く間に過ぎ、あっという間に二時間が経過した。

空は徐々に暗くなってきたが、万年薬材はまだ出現の兆しを見せなかった。

「本当にお前たちの推測は間違っていないのか?」この時、唐末も我慢できなくなってきた。

秦玉は苦笑いしながら言った:「間違いないはずです。ここまで待ったのだから、もう少しの辛抱です。」

唐末は手を広げて言った:「まあいいさ、どうせ同じ船に乗った身だしな。」

「轟!」

唐末の言葉が終わらないうちに、空から突如雷鳴が轟いた!

この一筋の雷光は天地を揺るがすほどの規模で、まっすぐに皆の目の前に落ちた!

その強大な力は、皆を吹き飛ばすほどだった!

「準備を。薬材が出現する。」秦玉は急いで立ち上がり、この雷光を凝視した。

頭上を見上げると、空には黒雲が立ち込め、その中で青い光が次々と生まれていた。

「ゴロゴロ...」

この時、地面も鳴動し始め、まるで何かが地中から出てくるかのようだった。

秦玉は胸の高鳴りを抑えながら、瞳を一点に集中させた。

彼は拳を軽く握り、気を身の周りに巡らせ、いつでも薬材を捕らえられるよう準備していた。

一方その頃。

琴ばあやたちは唐城を離れ、京都に戻ろうとしていた。

空港のレストランで、琴ばあやは食事をしていた。

仇和光は傍らでお世辞を言い続けていた。

そのとき、外で突然天地を揺るがすような雷鳴が轟いた!

その巨大な音は、空港全体を震わせるほどだった!

「雨が降るのか?」仇和光は驚いて言った。

その言葉が終わらないうちに、空港内でアナウンスが流れ、天候の影響で便が遅延すると告げられた。具体的な時間は追って通知するとのことだった。

これを聞いて、琴ばあやの眉間の皺はさらに深くなった。

「こんなに良い天気だったのに、なぜ突然雷が...」琴ばあやは箸を置き、空を見上げた。