唐盛の顔に浮かぶ笑みが濃くなるのを見て、秦玉もほっと胸を撫で下ろした。
この親子は本当に似たもの同士で、褒められるのが大好きだ。
唐盛も少し気まずそうに咳払いをし、真面目な表情で言った。「君の言うことは間違っていないが、万年薬材が何を意味するのか分かっているはずだ。」
秦玉は軽く頷いた。
お世辞だけで薬材を譲らせようなんて、到底無理な話だ。
交渉の最終的な決め手は、互いの利用価値、つまり個人の能力の表れにある。
唐盛は重々しく言った。「もしこの薬材を君に譲るとして、私には何の利益があるのかね?」
秦玉は少し考えてから言った。「私は薬師です。どんな薬でも調合できます。」
唐盛は手を振って首を振った。「それだけでは足りない。」
秦玉は真剣な声で言った。「唐様、どんな条件でも結構です。私にできることなら、決して断りません。」
唐盛は茶碗を手に取り一口すすり、秦玉を見つめながら淡々と言った。「第一に、私のために三回薬を調合すること。」
「問題ありません。」秦玉は考えるまでもなく承諾した。
「第二に、唐家のために三年間奉仕すること。」唐盛は淡々と言った。
秦玉は眉をしかめた。
唐家に三年間奉仕?それはどういう意味だろう?
「唐様、ご趣旨がよく分かりません。」秦玉は眉を寄せて言った。
唐盛は軽く笑って言った。「簡単に言えば、我が唐家の客卿となることだ。この三年間、唐家に何かあれば、手元の仕事を全て放り出して、すぐに駆けつけてもらう。」
秦玉は少し驚いた。なるほど、だから唐家はこれほど繁栄しているのか。きっとこの方法で、多くの武者の助力を得ているのだろう。
「分かりました。承知しました。」秦玉は頷いた。
唐盛は笑って言った。「よし、それでは決まりだ。この万年薬材は我が唐家は手を出さない。」
唐盛の言葉を聞いて、秦玉はしばらく黙り込み、顔に少し気まずそうな表情が浮かんだ。
「どうした?」秦玉の表情を見て、唐盛は眉をしかめた。
秦玉は咳払いをして言った。「もし差し支えなければ、少し人手を貸していただけないでしょうか...」
この言葉を聞いた途端、唐盛の顔色が一気に曇った。
「何を言っているんだ?我が唐家の者に薬材を奪わせろと?」唐盛は怒りを含んだ様子だった。