二手の人々が、異なる方向へと歩き出した。
秦玉は南東を選び、秦ばあやたちは東を選んだ。
双方とも相手をバカだと思っているようで、顔に浮かぶ嘲笑は同じだった。
「秦玉、なぜ彼らと違う方向に行くんだ?」そのとき、宋山と関祖が近づいてきた。
秦玉は彼らを一瞥し、言った。「彼らの方向が間違っているからだ。」
宋山はそれを聞いて、嘲笑って言った。「本当に自分を占い師だと思い込んでいるのか?」
「信じようが信じまいが勝手だ。」秦玉は彼らと無駄話をする気もなかった。
宋山と関祖は顔を見合わせ、その後冷ややかに言った。「秦玉、これはお前が自ら逃した機会だぞ。薬材が手に入らなくても我々の知ったことではない。その時は自分で寧坤に説明するんだな!」
「さっさと消えろ。」秦玉は苛立たしげに手を振った。
一行は南東の方向へと進み続けた。
この間、秦玉と八字髭の神識は極めて緊張し、周囲を見渡しながら、推測した位置を探していた。
すぐに、二人は一つの林の前で立ち止まった。
「ここだ。」八字髭と秦玉が同時に言った。
秦玉は周囲を見回したが、この辺りは極めて平凡で、特別な景色は何もなかった。
「通常、万年薬材が出現する場所には、特別な景象があるはずだ。」秦玉は眉をひそめて言った。
木々が特別に生い茂っているか、極端に衰えているかのどちらかのはずなのに、ここは余りにも普通すぎた。普通すぎて二度見する人もいないほどだ。
「それはあなたが分かっていないからです。」八字髭は説明した。
「私の長年の経験によれば、このような稀有な宝物は、普通の宝物とは違います。まるで意識を持っているかのように、自分を隠す方法を知っているのです。
「だから何の異象も現れない。それは人々を惑わすためなのです。」
秦玉は軽く頷き、八字髭の見解に同意した。
「ならばここで待とう。」秦玉は言った。
二十数人の一行は、しばらくここで万年薬材の出現を待つことにした。
一方、別の場所では。
琴ばあやたちも目的地に到着していた。
周囲の環境を見て、琴ばあやは軽く頷いた。
「ここの木々は特別に生い茂っている。それは万年薬材がもたらす霊気の影響だ!」仇和光は穏やかに笑って言った。
皆も次々と頷いて言った。「確かにここの景色は他の場所とは違う。」