第768章 恐ろしい守道者!

秦玉は心の中で思わず「馬鹿め」と呟いた。

守道者の前では、この武聖の器など、恐らく全く効果がないだろう。

「琴ばあやが武聖の器を持ってきたなんて!」

「どうやら秦玉を殺す覚悟を決めたようだ!」

「秦玉から飛び出したあの二体の死体は何に使うんだろう。」

人々は口々に噂し合い、明らかに今の危険な状況に気付いていなかった。

秦玉は心中焦っていたが、どうすることもできなかった。

琴ばあやは武聖の器を握り締め、冷たい目で守道者を見つめながら、大声で叫んだ。「今日こそ、お前たち二体の死体を粉々にしてやる!」

怒号と共に、琴ばあやは手にした武聖の器を発動させ、守道者に向かって突進した!

守道者は表情一つ変えず、氷のような面持ちだった。

自分に向かって突進してくる琴ばあやに対し、守道者はただ顔を少し上げ、鋭い眼差しを向けただけだった。

「バキッ!」

たった一つの眼差しだけで!琴ばあやの手にした武聖の器は、いきなり砕け散った!

そして琴ばあやの体は、横に吹き飛ばされた!

彼女の体の半分は肉泥と化し、残りは半分だけとなった!

「あぁ...」琴ばあやの口から、苦痛の悲鳴が漏れた。

「な...なぜこんな...」彼女は粉々になった武聖の器を見つめ、目には恐怖の色が満ちていた。

次の瞬間、琴ばあやは気を失った。

現場は静まり返った。

全員が息を呑んだ!

彼らは何が起きたのかさえ分からなかった!ただ武聖の器が突然砕け、琴ばあやが吹き飛ばされたことだけは分かった!

「な...何が起きたんだ...」

「あの二人は...何をしたんだ、なぜ武聖の器が砕け、琴ばあやが吹き飛ばされたんだ...」

「わ...分からない...」

「琴ばあや!」

その時、小黒が突然怒りの叫びを上げた!

「お前を殺してやる!」小黒は怒号と共に、全身の力を爆発させ、守道者に向かって突進した!

武聖の力がこの瞬間、極限まで爆発した。明らかに、今の小黒は怒りが極限に達していた!

突進してくる小黒に対し、守道者はついに動いた。

その内の一人がゆっくりと指を上げ、そして軽く弾いた。

「ドン!」

小黒は即座に吹き飛ばされた!彼の剛強無比な肉身も、瞬時に打ち砕かれた!

次の瞬間、小黒は人の姿を失い、元の姿に戻されて、激しく地面に叩きつけられた!