この絵は一見何の変哲もなく、霊気の波動も全くなく、とても非凡な法器には見えなかった。
「これは何だ?」この絵を見て、皆が思わず笑い出した。
「秦玉は狂ったのか?こんなボロ紙切れで武聖の力に対抗しようというのか?」
「はは、これぞ藁にもすがる思いというものだ、完全に狂っている。」
周りからの嘲笑が潮のように押し寄せ、皆が秦玉は焦りすぎて正気を失ったと思っていた。
琴ばあやの顔にも、珍しく笑みが浮かんでいた。
「見ていろ。」八字髭だけが冷笑を浮かべ続けていた。
彼はその絵を食い入るように見つめ、冷笑しながら言った。「この愚か者どもは、これがどんな宝物か知るはずもない。武聖の力?そんなものはくその役にも立たん!」
皆が嘲笑している最中、その絵が突然奇妙な光を放ち始めた!
そして、恐ろしく不気味な気配が溢れ出した!
瞬時に、周囲の温度が急激に下がった!極寒の如く!
「ん?これは何だ?」一瞬にして全員が異様な表情を浮かべた!
そしてこの時、小黒の手から放たれた黒色エネルギーが、その絵に向かって打ち込まれ、ぶつかり合った!
衝突した瞬間、驚くべきことが起こった!
その絵が光を放ち、黒色エネルギーを直接飲み込んでしまったのだ!
この狂暴なエネルギーは、一切の波紋すら起こせなかった。
まるで小石が大海に落ちたかのように、何の波風も立てなかった!
古めかしい気配が、その絵から漂い始めた。
神聖な威厳が、青崗山全体に満ちていた!
その気配は帝王の威厳のようで、思わず頭を下げて拝みたくなるほどだった!
「こ...これは一体どういうことだ!」皆が息を呑んだ!
その絵は一体何なのか?なぜこれほど不可思議なのか?!
小黒の表情は一層険しくなった!彼は狂ったように、手から眩い力を放ち、絵に向かって激しく打ち込んだ!
しかしすべてのエネルギーは、この絵に易々と吸収され、何の波紋も起こさなかった!
「な...なぜこんなことに!」小黒は顔色を変え、思わず二歩後退した!
「この小僧がなぜこのような宝物を!」琴ばあやも目を見開いた!
これほど不可思議な宝物は、聞いたことも見たこともない!
皆が目を丸くして呆然としている中、八字髭だけが冷笑を続けていた。
「愚か者どもめ、これは仮面女の物だ。」八字髭は冷笑しながら言った。