秦玉は深いため息をつき、低い声で言った。「やはりな」
その力は極めて強大で、武聖の力を持つ秦玉でさえ、まったく相手にならなかった。
もし半歩武聖なら、秦玉はまだ戦えたかもしれない。
「どうやら彼らは本当に秘境から出られないようだな」と秦玉は重々しく言った。
ここまで言って、秦玉は突然、奥深くに閉じ込められている武聖のことを思い出した。
「京都武道協会が武聖を収監しているというが、彼らはこの世でどうやって生きているのだろう?」と秦玉は疑問を投げかけた。
姜和は秦玉を一瞥し、言った。「考えたことはないのか?あの牢獄も、一つの秘境なのではないかと」
秦玉は一瞬驚き、すぐに理解した。
そうだ、あの牢獄の奥も、おそらく秘境なのだ!
その武聖も、同じように秘境の中に閉じ込められているのだ!
「わかった」と秦玉は重々しく言った。
この時、何かを思い出したように、すぐに閣主の方を向いて言った。「私が連れて帰った二人はどこだ?」
閣主は言った。「地下牢に閉じ込めてある」
「すぐに案内してくれ、会わねばならない」と秦玉は急いで言った。
その後、一行は地下牢へと向かった。
地下牢の大門が開くと、秦玉は下に閉じ込められている鄭柯と、第二の秘境から秦玉が連れ出してきた少女を見た。
秦玉は眉をひそめ、少女の手を引いて、この地下牢から引っ張り出した。
「危害は加えない。ただ二、三質問があるだけだ」と秦玉は涙に濡れた顔の少女に言った。
少女は急いで頷き、大きな瞳には涙が溢れていた。
「閣主、彼女の住まいを用意してもらえないか」と秦玉は言った。
閣主は軽く頷き、少女の方を向いて言った。「私について来なさい」
その後、秦玉の視線は鄭柯に向けられた。
「私が君を探している理由はわかっているはずだ」と秦玉は冷たく尋ねた。
鄭柯は秦玉を一瞥し、冷笑して言った。「わかるわけがない」
「わからないなら、教えてやろう」と秦玉は冷たく言った。
「秘境を開く方法を教えてくれれば、命は助けてやる」
鄭柯はこれを聞いて、思わず高笑いした。「秦玉、私だってわかっているぞ。たとえ教えたところで、お前は私を殺すつもりだろう!」
秦玉は眉をひそめた。
鄭柯の言う通り、今の秦玉の心境では、鄭柯を見逃すつもりはなかった。