この時、秦玉の戦意は極限に達していた。
この純粋な気配が、通り全体を席巻した。
顔錦尭は眉をひそめ、冷笑いながら言った。「秦玉、お前が何も知らないとでも思っているのか」
「武聖の力を頼りに、俺に喧嘩を売りに来たのか?そんな罠に引っかかると思うのか?」
秦玉は冷笑した。「お前を殺すのに武聖の力なんか必要ないさ!」
「いいだろう!お前の武聖の力もいつかは消える。その時こそ、お前の死期だ!」顔錦尭も大声で叫んだ。
「約束だな」秦玉は冷たく言った。
「顔四海、もう顔若雪のことは諦めろ。息子との最後の時間を大切にしろ」
そう言い残して、秦玉は背を向けて立ち去った。
「秦玉、本当に人を渡さないのか!」顔四海は我慢できずに叫んだ。
「くそったれ、消えろ!」秦玉は振り返りもせずに罵った。
顔四海は歯ぎしりした。心の中では怒りに燃えていたが、秦玉に対して何もできなかった。
今や秦玉の実力は、顔家でさえ手の施しようがないところまで達していた。
武聖が出てこない限り、誰も秦玉を止められない!
仕方なく、彼らは立ち去るしかなかった。
京都に戻ると、琴ばあやがすでに待っていた。
彼女は戻ってきた顔四海を見ると、急いで近寄って言った。「顔様、人は連れ戻せましたか?」
顔四海は我慢できずに罵った。「連れ戻せるわけないだろう!あの秦玉は全く人を渡さない!むしろ京都武道協会に人を要求しに行きたいくらいだ!」
これを聞いた琴ばあやは、その場に崩れ落ち、顔には絶望の色が浮かんだ。
人を連れ戻せないということは、小黒が死ぬということを意味する!
子供のいない琴ばあやにとって、これは到底受け入れられないことだった!
「琴ばあや、なぜ武聖を出動させてあの秦玉を殺さないのですか」顔錦尭は不思議そうに言った。
「京都武道協会には武聖がいるはずでしょう?それに...あの牢獄にも武聖がいるのでは?」
琴ばあやは顔錦尭を一瞥し、首を振って言った。「私たちに武聖を出動させる力があれば、秦玉をこんなに長く生かしておくはずがない...」
そう言い残すと、琴ばあやは魂の抜けたように立ち去った。
...
この時、薬神閣にて。
秦玉は閣主楼の下で、待ち続けていた。
丸一日一晩。
深夜になってようやく、閣主が上階から降りてきた。
閣主を見ると、秦玉は急いで駆け寄った。