その言葉に葉青は少し笑いたくなった。
しかし、秦玉の言葉には確かに道理があることも否めなかった。
上層部でさえ、秦玉を使って京都武道協会を制限し、さらには彼らの力を削ぐという意図があったのだ。
「葉長官、残りの三つの組織については、私が情報を探ってみますが、半月の期間では到底無理です」と秦玉は立ち上がって言った。
葉青は少し黙った後、こう言った。「三日後、私が秘境師に会わせてやろう」
「三日は長すぎます」と秦玉は首を振った。
寒宮宮主が武聖に達しようとしているのを見てから、秦玉の心は危機感で一杯だった。
「できれば、今すぐ出発したいところです」と秦玉は言った。
葉青は眉をひそめて言った。「今は正月だぞ。人様の邪魔をするのが適切だと思うのか?」
「誰もが私たちのように、親もなく、家族もない訳ではないのだ」
秦玉は仕方なく、頷いて言った。「あなたの言う通りにします。三日後にお伺いします」
葉青に別れを告げ、秦玉はその場を後にした。
彼はその日の夜のうちに薬神閣に戻った。
薬神閣の中も同じように閑散としていた。
多くの薬師たちは既に正月を過ごすために帰っており、桃子さえも残っていなかった。
秦玉が秘境から連れ帰った小清と顔お爺さん、そして新参の張逸九の他には、閣主一人しか残っていなかった。
この時、数人が丸テーブルを囲んで、新年を祝っていた。
戻ってきた秦玉を見て、閣主は手を振って笑いながら言った。「ちょうどいいところに戻ってきたね」
しかし秦玉は苦笑いして言った。「閣主様、私にはそんな余裕はありません」
閣主は眉を上げて言った。「一年中忙しかったのだから、年末くらいは休んでもいいだろう」
秦玉は深刻な声で言った。「一分一秒も時間の無駄にはできません」
そして、秦玉は寒宮宮主が武聖に達しそうになっていることを閣主に告げた。
「この広い世の中で、誰が急速に武聖の境に達するかなんて、誰にも保証できません」と秦玉はため息をついた。
秦玉の言葉を聞いて、閣主もそれ以上は強要しなかった。
「お前、ついてこい」秦玉は張逸九を引っ張って、階下へ向かった。
階下に着くと、張逸九は秦玉の手を振り払い、怒りを含んで言った。「あなたが気が狂ったからって、付き合う必要はありません!お正月なのに面倒に巻き込まれたくありません!」