寺田芽と悠佑は半年以上の付き合いで、性格が合うこともあり、すでに親友同士だった。
今回の帰国では会う予定だったので、藤本悠佑がそう言うと、彼女はすぐに同意した。
藤本悠佑は急いで聞いた。「どの部屋にいるの?」
寺田芽が部屋番号を言おうとしたとき、突然何かを思い出したように口を開いた。「今夜はダメ。ママが寝ちゃったから、明日にしよう」
悠佑は突然笑い出した。「ボス、みんなが言うには、あなたはボイスチェンジャーを使って、ロリ声になったけど、実際はキモいおじさんだって。男なの?女なの?教えてよ」
寺田芽は口を広げて笑った。「秘密だよ〜」
A市の気候は、空気中の湿度がちょうどよく、冬は暖かく夏は涼しい。ホテルのカーテンを閉めると、部屋の中は真っ暗で、寝るのにとても適している。