第42章 ママ、曾祖母を救って!

現場は混乱状態で、部屋からは医師と看護師の緊急処置の声が聞こえてきた。

「お母さん!」

「おばあちゃん!」

「曾祖母さん!」

分家の人々が一斉に泣き出し、涙を拭きながら、とても悲しそうな様子だった。

「黙れ!」藤本凜人の一喝で、彼らの泣き声が止まった。叔父の藤本昭昌(ふじもと あきまさ)がすぐに不満を漏らした。「凜人、お前が冷血で泣かないのはいいとして、なぜ俺たちにまで...」

藤本凜人が鋭い目つきで彼を見据えた。「おばあさまはまだ亡くなっていない!」

藤本昭昌は驚いて言葉を飲み込み、分家の人々も徐々に泣き止んだ。

藤本凜人は唇を噛みしめ、病室を凝視した。

藤本建吾の小さな体が震え始めた。普段は大人びている彼も、今は冷静さを失っていた。彼の動揺に気づいたかのように、藤本凜人の温かい大きな手が彼の肩に置かれた。

彼の感情が徐々に落ち着いてきた。横を向くと、藤本凜人が見下ろすように彼を見ていた。彼は落ち着いた声で言った。「建吾、怖がるな」

藤本建吾の目が再び赤くなり、うなずいた。

寺田凛奈はすでに病室の前まで歩みを進めていた。

視線をサッと建吾に向ける。

飛行機の中では、彼女が睡眠を取る必要があったため、芽を連れて部屋にいて、藤本凜人と彼の息子とは接触していなかった。

今、こんなに近くで観察すると、この子の体つきは本当に芽によく似ていた。

彼女がもう少し観察しようとしたとき、病室からの声に注意を引かれた。

藤本凜人は彼女が来るのを見たが、すぐには部屋に入らず、代わりに彼の方を見た。彼の心も沈んだ。アンチもおばあさまを諦めたのだろうか?

彼の声は低く、これまでにないほどの戸惑いと懇願が滲んでいた。「寺田さん、どうか……」

しかし、その先の言葉が紡がれる前に、寺田凛奈はすでに視線を外し、迷いなく病室の中へと歩を進めていた。

第一病院は全国的に有名な病院の名に恥じない。ここには日本最高水準の医療条件が整っており、機器から医師、さらには看護師に至るまで非常に専門的だった。

今、みんなが秩序立てて救命活動を行っていた。

「除細動準備!」

「200ジュール!」

「バン!」

「...」

「ピピピ...ピ...ピ...」