第43章 あなたの息子はどこ?

寺田凛奈は全身を震わせた。

大奥様の各種モニターを確認していた彼女は、体を固くし、ゆっくりと頭を下げると、いつも見覚えのある感じを与えてくる小さな男の子が、今や彼女を見上げているのが見えた。

彼はマスクと帽子をつけていて、顔ははっきりと見えなかったが、その見慣れた目には慕う気持ちと願いの情が満ちていた。

寺田凛奈の頭の中が一瞬真っ白になった。

何か大事なことが脳裏をよぎりかけたが――

ピピピピ――!

突然、病室のモニターが警告音を発した。

――今は、治療が最優先。

彼女はすぐに意識を集中し、冷静に画面を確認する。

大奥様の血圧が上昇している――!

今泉唯希も急いで入ってきて、寺田凛奈に気づいた。彼女はマスクをつけ、眉をひそめた。「あなたは誰?ここは集中治療室よ、すぐに出ていってください!」