社長専用エレベーターと一般エレベーターが並んで設置されており、専用エレベーターの位置がやや奥まっているため、藤本凜人たち3人がレストランに向かうには、一般エレベーターの前を通る必要があった。
藤本凜人は目的意識が非常に強く、歩くときはいつも真っすぐ前を見て、まるで標識のように背筋をピンと伸ばし、長槍のような姿勢で歩き、その歩みには冷たさが漂っていた。彼の顔には霜のような冷たさが覆っており、特徴的な泣きぼくろは高貴さと疎遠さを醸し出していた。
彼の隣にいる小さなバージョンの藤本建吾は、彼と同じような表情をしていたが、年齢が若いため、幼い顔立ちにより可愛らしさが加わっていた。
二人の輝きの下で、やや見劣りする藤本悠佑が元気よく隣を歩いていた。兄について食事に来られて、本当に嬉しそうだった。