第19章 お兄ちゃんは私とそっくり

藤本建吾は顔を赤らめた。「いいえ、いいえ、ママ」

寺田凛奈は低く笑った。「芽ちゃんは大きくなったわね」

藤本建吾は降ろされると、一目散に走り去った。

彼は寝室のドアの外に立ち、中の様子を聞いていた。水の音、シャワーの音、そしてシャワーを浴びた後のママがスリッパを履いて歩く足音。

ママが服を着終わったのを確認してから、彼はドアを開けた。ママがベッドに横たわっているのが見えた。彼女は目を閉じたまま口を開いた。「芽ちゃん、ママは二日後に大切な手術があるの。この数日間は睡眠を取らないといけないから、先に寝るわね」

「...はい、ママ」

妹が言っていた通り、ママは体調が悪く、寝るのが好きだった。普段していることと言えば、寝ているか、面倒なことを片付けて寝る準備をしているかのどちらかだった。