第27章 プリンセス・ケンゴウ

寺田凛奈はこの言葉を聞いて、目つきが一瞬鋭くなった。

女の子が外出して服を着替えて戻ってくるなんて、絶対に大事なことだ。

ママが疑いを持ち始めたのを見て、藤本建吾は落ち着いた表情で秋田さんを見た。「いいえ、違いますよ。記憶違いじゃないですか?」

秋田さんは彼がそんなに断言するのを見て、迷った。「そうですか?」

「はい」藤本建吾は話題を変え、寺田芽の口調を真似た。「ママ、早く寝に行ってよ。僕もゲームしに行くからね〜」

目の前の娘は少し奇妙だったが、寺田凛奈はあまりにも眠くて頭がぼんやりしていたので、うなずいた。「わかったわ」

彼女が目覚めたら、藤本凜人と清算しに行こう。

挨拶もせずに、彼女の家から娘を連れ去るなんて、絶対に許せない。

この眠りは、翌日の昼まで続いた。