すぐに、ウェイターが料理を運んできた。
イタリアンレストランなのに、なぜか小皿で料理を出してきた。一皿、また一皿と小さな皿が並び、寺田凛奈は目を見開いた。
これは何なんだ?
彼女は退屈そうに箸を持ち、ゆっくりと食べ始めた。
対面に座る藤本凜人はゆっくりと口角を上げ、口を開いた。「寺田さん、食事は良く噛んでゆっくり食べるべきです。早すぎると体に良くありません。」
「……」
でも、こんなにゆっくりじゃなくてもいいでしょう!
ある皿には、きゅうりが2本だけ……
凛奈は、藤本凜人が故意にこうしているのではないかと疑った。到着した時、ロビーで食事をしていた人たちの皿は普通のサイズだったのだから。
彼女は箸を持ち、ボウルの中のパスタを少しつついて、適当に口に運んだ。