藤本凜人は彼女を見つめたが、女の子はその言葉に答えた後、全く携帯を取り出して彼に見せる気配がないのを見た。
「……」なぜか少し気まずい。
傍らにいた石丸和久がその様子を見て口を開いた。「芽ちゃんのですか?私もあります!動画まで撮ったんですよ!」
彼女はそう言うと、携帯を取り出し、ちょうど藤本凜人に見せようとしたとき、寺田凛奈がさらりと彼女を止めた。「おばさん、おじさんの方が少し様子がおかしいみたいです。」
石丸和久は果たして注意を逸らされ、横を向くと渡辺昭洋が相手と小声で口論を始めているのが見えた。
彼女は藤本凜人に謝るように微笑み、急いでそちらに向かった。
藤本凜人:「……」
どうもこの女は意図的にやっているように感じる。ただ写真を見せたくないだけなのだ。
ただの娘じゃないか?彼は自分の息子のを彼女に見せたのに、何を隠す必要があるのか。