第60章 娘は父親似

藤本凜人が昼頃、ここで食事の集まりがあった。

一流ホテルの2階、左側は会議室、右側はホテルだった。

彼がエレベーターを出たばかりの時、会議室の入り口から騒がしい声が聞こえてきた。最初は気にしていなかったが、ちらっと見ると、あの見慣れた姿が目に入った。

彼は少し足を止め、ウェイターが不機嫌に人を追い払う言葉を聞いたとき、眉をひそめ、志村に指示した。「行って確認してくれ」

渡辺家はやはり藤本家と知り合いの家族で、前の世代はとても親しかった。他人に侮辱されるようなことがあってはならない。

志村はうなずいた。「はい」

しかし、まさに行こうとしたとき、あの低くて清らかな声が聞こえた。「ちょっと待って」

寺田凛奈は携帯を取り出し、白い指で数回タップし、メールボックスに入った。そこには確かに数通の招待状が入っていた。