二人とも面接の通知を受け取った。
大学院入試は筆記試験に合格してから面接があり、面接の前に指導教授と連絡を取っておくと、面接で合格しやすくなる。
もし加納主任が本当に寺田佐理菜と意気投合したのなら、加納主任のお墨付きがあれば、面接は形式的なものにすぎない。
だから寺田佐理菜は少しも緊張していなかった。
小泉佐友理は面接通知を見て、ほっとした。二人とも同じ日に面接があり、面接が終わればほぼ結果が出るはずだ。
その時、合格すれば残って病院で研修を探せばいいし、不合格なら小泉佐友理はもう帰りたくなかった。
全国で最も医療水準が高いのは京都だ。ここには最先端の機器があり、彼女はここに残ってもっと知識を学びたいと思っていた。
そう考えていると、突然寺田佐理菜が彼女を見て、直接歩み寄ってきて口を開いた。「ちょっと机を使わせてもらうわ」