第227章 瀬戸家の大師姉!

藤本建吾は言葉が得意ではなく、小さな顔を引き締めて黙っていた。

  しかし、彼らのグループには寺田保裕という腕白な子がいて、直接リーダーの代わりに言い返した。「享太郎、お前が追い出されたからって、俺たちに八つ当たりするなよ!俺たちの芽は凄いんだぞ。あいつが入れてくれるって言ったんだから、絶対入れてくれるさ!」

  松川享太郎は冷笑した。「俺の父さんが言ってたぞ、瀬戸門は規律が厳しいって。聞いたか?俺みたいな外門の弟子だけが入って武術を学べるんだ。お前らが入れるわけないだろ!門前払いだ!」

  寺田保裕:「じゃあ、見てろよ。俺たちがどうやって入るか!ふん!芽、行くぞ!」

  藤本建吾はうなずき、先頭に立って正門に向かった。

  松川享太郎は彼らの後ろについて歩きながら、この状況を見て嘲笑った。「寺田芽、まさか正門から入るつもりじゃないだろ?知らないのか?瀬戸門の正門は、重要な客人か内門の弟子以外は、そう簡単には入れないんだぞ!」

  瀬戸門の管理は非常に厳しく、これが篠崎冠介たちが瀬戸門と連絡を取ろうとしても入れない理由の一つだった。門口で止められてしまい、瀬戸門の発言力のある人と話をすることさえできないのだ!

  藤本建吾は小さい頃から権力者の子供として、どこへ行っても正門から入るのが当たり前で、こういったことを全く知らなかった。

  寺田真由美も知らなかった。

  しかし、寺田保裕は理解した。

  彼の父親と寺田真治は一世代離れた従兄弟で、両方とも寺田家に住んでいたが、彼の世代になると、家を出て別に住むことになっていた。

  結局、彼の代になると距離が離れすぎていたのだ。

  名家や大家族では、嫡流と傍系ははっきりと区別されていた。

  だから父親はよく彼に、寺田真由美と良い関係を保つように言い聞かせていた。真由美こそが嫡流の権力者の子供だったからだ。

  もちろん、彼が真由美を守るのはそれだけが理由ではなかった。まだ年齢が小さく、そこまでの打算はなかったが、ただ父親が部屋に入るときは正門を使わないようにと毎回注意していたので、何年もの間に彼は慣れてしまっていた。

  だから彼は無意識に藤本建吾の方を見た。「芽のリーダー、本当に正門から入るの?ちょっとまずくない?」