第228章 瀬戸家の大師姉!(2)

寺田凛奈は携帯電話の中で一瞬黙った。

  心海のお母さんは彼女が話さないのに気づき、誤解した:「紹介しにくいですか?それなら結構です、ただ聞いてみただけで……」

  実際、芽に寺田芽をあやしてもらって、話を瀬戸さんの耳に届けることもできる。

  でもそれはよくない。

  芽ちゃんに人を紹介してもらうには、当然親の同意が必要だ。結局のところ、京都の名家の勢力は広範囲に及んでいて、誰が誰とどんな関係があるかわからない。子供は物事の軽重がわからないから、子供を誘って助けを求めるのは間違っている。

  心海のお母さんの考えはシンプルだった。寺田芽が瀬戸家に入れたのは、おそらく藤本さんのおかげで、寺田さんとはあまり関係がない。寺田さんを困らせてはいけない。

  彼女がそう考えていると、向こうから少し躊躇した声が聞こえた:「困るというわけではないのですが……何か用事があるんですか?」

  人に紹介を頼むなら、具体的な状況を説明しなければならない。そうしないと、万が一大師姉にお願いする事が、相手の利益と相反する場合はどうするのか?

  心海のお母さんは人に頼む時の最も誠実な態度で、ため息をついた:「瀬戸家に手加減してもらって、私たち篠崎家を見逃してほしいんです。」

  寺田凛奈:?

  彼女は少し驚いて、「瀬戸家がどうして篠崎家を?」

  もし篠崎家が瀬戸家の人を傷つけたのなら、彼女寺田凛奈は瀬戸家の大姉として、当然瀬戸家のために正義を取り戻さなければならない。

  これは何でもかんでも、コネで適当にごまかせる問題ではない。

  寺田凛奈の印象では、瀬戸家は師匠が管理し、配下の弟子たちは皆力強く、ハンサムで、非常に従順だ。

  瀬戸家の内門の弟子たちが、間違いを犯すはずがない。

  そう思った矢先、心海のお母さんが口を開いた:「こういうことなんです。松川門は瀬戸家を後ろ盾にしているでしょう?まあ、寺田さんも他人じゃないし、もう遠回しに言うのはやめます。松川文弥があの日うちに来て、5億円でレーシングクラブを買収すると言ったんです。これは瀬戸家の意向だと。」

  寺田凛奈:?