石丸惇人はまた彼女の袖を引っ張った。「芽ちゃん、女の子は男の子になれないよ。絶対に負けちゃうから、彼の言うことを聞かないで!」
寺田芽は甘い声で言った。「私には方法があるの!」
寺田保裕は髪をさわりながら、もう一度鼻を鳴らして、両手をポケットに入れて歩き去った。
彼が去った後、福山曜花は寺田芽の前に駆け寄り、顎を上げて言った。「寺田実依、お前は終わりだ!保裕に目をつけられたら、これからお前の人生は地獄だぞ!彼は子分に犬の鳴き真似をさせるのが大好きなんだ。明日からお前は犬芽だ!」
災難を喜んでいる最中、寺田芽の大きなブドウのような目に疑問の色が浮かんだ。「でも、どうやって犬の鳴き真似をするの?」
福山曜花はすぐに身を屈め、両手で爪を作るようなポーズをとって、「ワン~ワン~ワン~」