二人が揃って口を開いた。「凛奈、藤本さんと恋愛してないの?」
まさか愛情表現だと言っていたのに……
どうして恋愛していないことがあり得るの!
寺田凛奈:……
彼女は頭痛がして額をさすった。これをどう説明すればいいの?
石丸和久は目を丸くして、言葉も詰まりながら言った。「り、凛奈、い、いつもこんな風に藤本さんと話してるの?」
あの藤本さんだよ!
渡辺昭洋でさえ、藤本さんにそんな風に反論できないのに。
でも……
石丸和久はゴクリと唾を飲み込んだ。
なぜか、叔母さんと祖母にそんな風に見られて、寺田凛奈の頬が少し熱くなった。彼女は咳払いをして、突然口を開いた。「叔母さん、私と藤本さんの間には本当に恋愛関係はありません。私たちはただ……」
ただ何なのか、言葉が出てこなかった。