寺田史之助は悩んで再び髪の毛を引っ張り、また何本か抜けてしまった。
隣の部屋で。
寺田雅美は監視器の中の音を聞いていた。彼女が寺田史之助のスマートフォンにハッキングして盗聴した会話だった。
「バグの位置が特定できず、原因が全く分からない」という言葉を聞いたとき、彼女は唇を曲げた。
もちろん原因が分からないはずだ。
これは彼女が新しく開発したウイルスで、今日ゲームサーバーを修復する際に埋め込んだもので、このウイルスは今のところ彼女にしか解除できないのだから。
彼女はゆっくりとスキンケアをし、高価なボディローションを開け、体に丁寧に塗り込んでいった。
お嬢様の肌も、手入れあってのことだ。
彼女は首を傾げ、案の定すぐに秋田花泉の声が聞こえてきた。「ダーリン、それなら、やっぱり雅美に頼んでみましょうか。」