テーブルの上はすぐに埋め尽くされた。
寺田史之助も階下に降りようとしている寺田凛奈を見かけた。
彼は即座に背筋を伸ばし、首を高く上げ、彼女を見ようともしない振りをしたが、目の端では常に彼女を注視していた。
もしこの人が来て挨拶をしたら、絶対に相手にしないし、「二番目のお兄さん」と呼んだからといって妹として認めるわけではないと伝えるつもりだった!
三叔父が家全体を取り仕切っており、三叔父の一族こそが嫡系で、彼を含む他の兄弟たちは傍系なのだ!
そして寺田凛奈というこの傍系は、さらに遠い存在だ!
結局のところ、妻を奪われた恨みは許せないのだ!
とにかく、彼は三叔父派であり、絶対に妹に誘惑されたりはしない!
彼が心の中でそう自分に言い聞かせていたとき、寺田凛奈がゆっくりと階段を降りてきて、彼の前を通り過ぎ、一言も発せずにダイニングルームに向かうのを見た。
寺田史之助:???
おい、目が見えないのか?こんなに大きな生身の人間が見えないのか?
寺田史之助が怒って文句を言おうとしたとき、寺田雅美が彼の手を掴んだ。「二番目のお兄さん、彼女と口論しないで……」
寺田史之助は冷ややかに鼻を鳴らした。「彼女なんか気にしないよ。ただお腹が空いていただけだ!キッチンに行って何か食べるものがないか見てくる!」
寺田雅美:「……」
寺田凛奈は二人のことなど全く気にしていなかった。寺田雅美が彼女に対して理由のない敵意を持っていることは感じ取っていたし、寺田史之助については……藤本家であんなに彼女を陥れたのだから、彼に仕返しをしないだけでも上出来だ。挨拶なんてするわけがない。
彼女はそのままテーブルに座り、好き嫌いもせず、一番近くにあるものを食べ始めた。
彼女にとって食べ物は単に腹を満たすためのものであり、美味しさは考慮の対象外だった。
彼女が再び餓死寸前の人のように、むさぼるように殻を剥いた小エビの皿を平らげるのを見て、寺田史之助は我慢できなくなった。