第269章 最強のソーシャライト?

藤本凜人が注目の的となり、突然現れたにもかかわらず、すぐに皆の注目を集めた。

  みんなが一斉に彼の方を見た。

  寺田雅美の視線は、彼に落ちた瞬間に輝き出した。

  藤本凜人は間違いなく京都で最も魅力的な男性であり、彼女が幼い頃から自分に定めた目標でもあった。これほど長い間、彼女は一度も彼氏を作ったことがなく、藤本凜人の女性になるために自分を厳しく律してきたのだ。

  5年前、彼に突然子供ができたという話が寺田家に伝わった時でさえ、彼女は自分の部屋で一人こっそり泣いたが、それでも彼を許した。

  結局、男はみな浮気性で、下半身を抑えられないものだから。

  彼女は嫁いでからその子を大切にしようと考えていた。私生児は確かに藤本家を継げないだろうが、将来的には自分と藤本凜人の息子にその子に優しくするよう言い、財産も多めに分けてあげれば、自分の度量の広さを示せると思っていた。

  しかし、藤本凜人はなかなか寺田家に縁談を持ちかけず、ここ数年彼女はひそかに焦り始めていた。結局、彼女はもう25歳なのだ。婚約から結婚までの一連の流れを考えると、少なくとも2年はかかる。そうなると年齢が上がってしまう!

  確かに藤本凜人は18歳の時、彼女と結婚しないと言ったことがある。

  しかし、これほど長い間、藤本凜人は未婚のままで、あの私生児の母親も一度も人前に現れたことがなく、噂によると藤本凜人は彼女のことを嫌っていて、一度も口にしたことがないそうだ。

  だから彼女は、藤本凜人はきっとあの子供が大きくなるのを待っているのだと思った。

  彼は自分が子供を虐待するのではないかと心配しているのだろうか?

  寺田雅美はそんな人間ではないが、このことを藤本凜人に言うこともできず、ただ寺田家で干からびたまま待ち続けるしかなかった。

  毎年何かのパーティーの時だけ、遠くから彼を数回見かけ、挨拶をするだけで、彼の視線が彼女に留まることは一度もなかった。

  しかし、彼女はすでに京都で最も優秀な女性なのだ。藤本凜人が彼女を気に入らないなら、他の誰も気に入るはずがない!

  彼女はしっかりとそこに立ち、隣にいた友人たちがすでに驚きの声を上げ始めた: