第275章 スポンサーのおじいちゃん~

前回の生配信で彼女の顔を画面で見たけど、映像と現実では少し違いがあった。

  DNA検査の結果を知ってから今まで、彼は病院に籠もっていた。まるで逃亡兵のように、向き合うことができなかったからだ。

  しかし、現場に来てみると、彼は実は彼女を見たいと思っていた。彼女を通して、20年以上前の渡辺詩乃を見たいと思っていた。

  宴会場には多くの人がいた……そして二人が入ってくるとすぐに、藤本家の人々は気づいた。

  寺田亮は絶対に尊敬に値する長老だ。だから執事はすぐに藤本凜人に知らせた……

  その時、藤本凜人はデザートコーナーに向かっていて、寺田凛奈を見つけると、彼女に低い声で話しかけた。「さっきの数人、調べてみたら、やはり誰かが悪さをしていたんだ。」

  寺田凛奈は一口でデザートを食べ、腹を満たした。