第274章 寺田亮が来た!

「そう言いながらも、矛盾点を一瞬で渡辺家と寺田凛奈に集中させたのね。」

  石丸和久は眉をひそめた。

  他の人たちも笑い、中には口を開いた人もいた。「渡辺家は製薬の専門家だけど、三原御医は漢方医学界の権威だよ。彼の技術はもう途絶えてしまったから、渡辺家にも作れないはずだ!それに、この薬丸一つの原材料だけでも数百万円するって聞いたよ。五百年物の人参が必要なんだって!」

  「五百年物の人参?そんな年数、高すぎじゃない?人参一本で薬丸一つしか作れないの?」

  「この五十嵐安神丸の貴重さはそこにあるんだ。普通なら人参一本で一釜分は作れるはずだけど、この薬は極めて成形が難しい。三原御医が数年前に一釜分作ったときも、確かに一つしか成功しなかったんだ。だからこの薬丸は頭をすっきりさせ、精神を安定させる効果があるけど、私たちのような家でも本当に手が出ないんだよ!」