第300章 寺田雅美だった

この言葉に伴い、二人はsoloの方からキーボードを叩く音が聞こえてきた。

  soloは打ち込みながら口を開いた。「5分くれれば、必ず犯人を見つけ出してみせますよ!」

  寺田史之助と秋田花泉は今や彼がsoloであることを信じざるを得なくなった。結局のところ、会社のバグはすべて修正されたのだから!

  寺田史之助は感謝の涙を流した。「ありがとうございます!」

  Solo:「私に感謝する必要はありません。むしろ私があなたがたに感謝すべきです!」

  彼らがAntiから逃れる絶好の機会を与えてくれたことに感謝し、これからの自由な生活を思うと感動で涙が出そうだった!

  寺田史之助:?

  秋田花泉:???

  二人は顔を見合わせ、寺田史之助は眉を上げた。大神の性格がなんてヘンなんだ?あんなにわずかな金額で、大きな助けをしてくれたのに、まだ彼らに感謝するなんて?もしかして俺の人格的魅力に惹かれて、一緒に働きたいと思ったのか?

  寺田史之助は顎を上げ、胸を張った。

  この視線の交流を理解した秋田花泉は目を転がした。彼女は尋ねた。「solo、一体誰が私たちを盗聴したんですか?本当にひどすぎます!まさか内部の人間?家の使用人とか?」

  寺田史之助はすぐに眉をひそめた。「調べろ、調べ出したら、俺、俺、俺が兄貴に言って、クビにしてもらう!」

  秋田花泉:!!

  あなたのその程度の度胸!

  彼女は再び目を転がした。そのとき、突然ドアがノックされた。

  寺田史之助は秋田花泉がコートを羽織っているのを見て、ドアを開けに行った。寺田雅美が申し訳なさそうな、焦った表情で外に立っているのを見つけた。「二兄さん、ごめんなさい。さっきバグを探していたときに、ちょっとミスがあって!」

  寺田史之助は一瞬驚いた。

  寺田雅美は目を伏せ、さっき相手を盗聴していたとき、突然信号が途切れたことを思い出した。彼女は心臓がドキッとして、きっと問題が起きて発見されたのだと悟った。