第313章 瀬戸家の大姉?

寺田凛奈が駐車場に着いたとき、ちょうど寺田真治も出かけようとしていた。二人が出会うと、寺田真治は突然彼女を呼び止めた。「寺田さん。」

寺田凛奈は足を止め、彼を見た。「寺田さん、何かありますか?」

この二人のやりとりが始まると、二人ともちょっと戸惑った。

同じ寺田姓なのに、なぜかこんなにも他人行儀な感じがするのだろう?

寺田真治は先に自分の気持ちを抑え、ポケットからキャッシュカードを取り出して彼女に渡した。「あなたの好意は、寺田治が心から感謝しています。でも、こんな高価なカードは、あなた自身で大切に保管してください。」

高価?

寺田凛奈は眉を上げた。実際、彼女はそれほど高価だとは思っていなかった。

しかし、寺田真治が返してきたので、彼女も遠慮なく受け取り、そしてついでに尋ねた。「この時間にまだ仕事に行くんですか?」