第317章 脚を使わない

寺田洵太の話を聞いていると、相変わらず中二病全開の様子だった。

  寺田凛奈は思わず額に手を当て、尋ねた。「あなたはみんなにこんなに親切なの?」

  寺田洵太:??

  寺田洵太は質問に戸惑った。

  彼は呆然と寺田凛奈を見つめ、一瞬自分の行動が少し奇妙だと感じた。

  いつから彼はこんなに世話焼きになったのだろう?見知らぬ女性にこんなに気を遣う必要があるのだろうか?

  実際、彼にも説明がつかない感覚だった。この女性のあの淡々とした態度が、どことなく寺田凛奈のような気がしていた。

  結局のところ、彼は長い間寺田凛奈を尾行して守ってきたのだから。

  彼は鼻を鳴らし、「余計なお世話だったな」と言った。

  そう言って立ち去った。

  寺田凛奈:「……」

  彼女は今の発言で寺田洵太を怒らせてしまったのだろうか。そうでなければ、なぜこの中二病の少年が急に冷たくなったのだろう。