第356章 人命救助!

寺田真治は口を開いた。「私は雅美に藤本さんに電話をかけるように言ったんだが……」

  ここまで言って、突然何かに気づいたようだ。「つまり、藤本さんはこの話を聞いていないということ?彼はどこにいるんだ?」

  雅美には少し問題があることは分かっていたが、それでも叔父の養女だったので、寺田真治は彼女に警戒心を持っていたものの、こんな重要な時に問題が起きるとは思っていなかった!

  皆寺田家の人間で、みんな寺田家の体面を守っているのだ!

  だから、寺田真治は雅美が話を伝えなかったとは信じられなかった。

  寺田凛奈は冷笑した。「私を信じないなら、藤本凜人に聞いてみたらどうだ?」

  寺田真治はすぐに携帯を取り出した。「藤本凜人に電話をして確認してみよう。」

  しかし、電話をかける前に寺田凛奈に手で押さえられた。「彼は今、警察署にいる。」

  さすが寺田家の実権者、寺田真治はすぐにこの言葉の意味を理解した。彼は眉をひそめ、直接尋ねた。「お前が出てこられたのは、彼の助けか?」

  「ああ、彼は石山博義を人質にした。」寺田凛奈の軽々しい二言に、寺田真治の瞳が再び縮んだ。

  実は寺田治、寺田洵太、寺田史之助たちの行方については知っていた。

  老いぼれのところはもうだめだ。

  Antiが見つからず、人を救えない。寺田凛奈が石山博義の手中にある重大な事件に関与していなくても、この件だけで医療過誤の罪は確定してしまう!

  だから、彼はあの数人を止めなかった。

  寺田洵太の能力は知っていた。

  人を救おうとすれば、必ず救い出せるはずだ。

  さらに、あの三人はまだ知らないが、彼はその後の協力計画も準備していた。空港では寺田家のプライベートジェットがすでに準備されており、いつでも離陸できる状態だった。

  しかし、藤本凜人がまさか自ら危険を冒すとは思いもよらなかった。

  「愚かな!」寺田真治は叱責した。「彼がそうしてお前を出してきても、自分の後々の潔白は証明できないだろう。人を救う方法はたくさんあるのに!」

  寺田凛奈は眉を上げた。「それはもういい。今私は手術室に入る必要がある。できるか?」